☆CRI・ミドルウエア(3698) 単元株数:100株:マザーズ:情報通信業
◆事業概要
音声と映像に専門特化したミドルウェアを研究開発し、製品ブランド「CRIWARE(シーアールアイウェア)」
として、様々なエンターテインメントやビジネス分野に展開中。
◆特徴
前身は、(株)CSK総合研究所であり、セガの家庭用ゲーム機向けミドルウエアを開発。独自開発した音声・映像圧縮フォーマットは、家庭用ゲーム機だけではなく、スマートフォン向けゲーム分野をはじめ、ゲームセンター等の遊技機分野、家電、ヘルスケア機器など組み込み機器分野にも対象分野を拡大中。研究開発の成果を製品化したミドルウェアの許諾販売と、ミドルウェア技術をベースにした受託開発が収益源。
従業員数:62人 臨時従業員数:0人 平均年間給与 607万円(平成26年9月30日現在)
連結子会社1社
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■業績実績
◆第13連結(平成25年9月期)
売上高 ⇒ 9億8,800万円 前期比 1.4%減。
営業利益 ⇒ 6,800万円 前期比 773.5%増。
経常利益 ⇒ 8,300万円 前期比 702.2%増。
当期純利益 ⇒ 5,300万円 前期比 4850%増。
1株あたり純利益(EPS) 37.93円(上場時の1,399,400株で算出)
株価収益率(PER) 2,400円(仮条件上限)/37.93円=63.27倍あたりか。
ゲーム分野では家庭用ゲーム機向けソフト市場の大幅な縮小の中で何とか売上を微減に留め、携帯電話向けゲームアプリ市場での認知度向上を進めることができました。遊技機分野では、複数の大手顧客とのビジネスが着実に継続発展。また、新規分野におきましては、医療・ヘルスケア業界を中心としたエンタープライズ案件について事業化を図っており、また新たに、動画配信の分野へも当社技術を展開すべく、新規の取組みを始めたことによるか。
◆第14期第3四半期(平成26年6月期)
売上高 ⇒ 8億500万円
営業利益 ⇒ 1億7,200万円
経常利益 ⇒ 1億7,600万円
当期純利益 ⇒ 1億1,600万円
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■主幹事別、セクター別アノマリー

⇒ 情報通信業での直近の負けは、2011/3/11上場 AGS(3648):OR22.2%:東証2部:みずほ証券。
⇒ 月別勝率9位。ただし、2010年以降は、12勝0敗 勝率 1.000。
⇒ 11月での直近の負けは、2009/11/20上場 エフオーアイ(6253):OR34.1%:マザーズ:みずほ証券。
⇒ エイチ・エス証券の直近の負けは、2004/10/28上場 21LADY(3346):小売業:OR17.1%:セントレックス。
⇒ エイチ・エス証券・情報通信業の直近の負けは、無し。2006/6/20上場 オウケイウェイヴ(3808):OR12.2%:セントレックス 以来の上場。
⇒ マザーズ・情報通信業での直近の負けは、2008/10/28上場 クロスマーケティング(3629):OR22.1%:野村證券。
■需給状況
オファリングレシオ(OA含む)は、22.58%。
適正とされる 20%±5% の範囲内か。
仮条件上限で試算した吸収金額は、約7.58億円。
■大株主におけるベンチャーキャピタル(VC)の状況
VCの存在数 ⇒ 1つ。
VCの合計所有割合 ⇒ 8.58%
また、大株主以外のVC(投資会社含む)は、無し。
VC関連の存在数 ⇒ 全部併せて、1つ。
その合計所有割合は ⇒ 8.58%(計120,000株)
今回の売出における放出株数 ⇒ 50,000株。残数は、70,000株 の見込み。
■ロックアップの状況
ロックアップ(売却等):対象者
売出人である株式会社セガ及び鈴木久司並びに当社株主である押見正雄、古川憲司、松下操、鈴木泰山、田中克己及び青山幸雄。
ロックアップ(売却等):期間
90日間(平成27年2月24日)。発行価格の1.5倍以上で解除条件は、有り。
仮条件上限が、 2,400円 であることから、 3,600円 あたりか。
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ロックアップ(売却等):対象者
従業員持ち株会
ロックアップ(売却等):期間
親引け対象株式について、180日間(平成27年5月25日)
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ロックアップ(発行等):期間
90日間(平成27年2月24日)
また、主幹事証券は、裁量でロックアップ解除を行う権限あり。
■親引け
従業員持株会に対して、公募による募集株式及び売出株式のうち27,600株を上限として、要請予定。
第1回訂正にて、19,300株を上限として要請に変更。
■配当
会社設立10周年の記念配当(平成23年12月20日)として、1株につき、1,500円 の実績あり。
ただし、剰余金の配当については内部留保の充実を図るため実施予定無し。
■株主優待
記載無し。
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■目論見書に記載のある主な対処すべき課題
◆ ゲーム分野
ゲーム開発会社において各種ゲームエンジンの採用が増加しております。当社ミドルウェアもこれらエンジンと合わせて使うことにより簡単・便利に音声と映像をハンドリングできるような仕組みの構築(プラグイン化)を図る。また、 スマートフォンアプリ開発会社をターゲットとした、プロモーションや説明会などに注力し、当社ミドルウェアの浸透をめざす。また、スマートフォンアプリは、F2P型(フリートゥプレイ:基本料金無料、アイテム課金)の収益モデルが主流。そのため、当社ミドルウェア料金も、従来はタイトル別または販売本数別に定めていたのを、期間やレベニュー等に連動する新しい料金体系の構築を図る。
◆遊技機(パチンコ・パチスロ)分野
音声や映像の派手な演出が求められるようになり、ハードウェア、ソフトウェア、開発環境の高度化が進んだことにより、売上の拡大が見込めると認識。そのための施策として、マルチプラットホーム展開を図り、遊技機業界で標準的に使用される複数のハードウェア(チップ・ボード)に対し、当社ミドルウェアをカスタマイズしシェア拡大を目指す。
◆新規分野
医療・ヘルスケア分野では音声・映像等の要素技術が期待されている訳ではなく、それらを活用したアプリケーションソフト(システム)に需要有り。単一顧客向けの開発となれば、受託的なビジネスになるものの、複数顧客に提供することで、ASP(Application Service Provider)としての、許諾的なビジネス(使用許諾料を頂戴するビジネス)としての発展を目指す。
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■目論見書に記載のある主なリスク
◆ゲーム市場の動向が与える影響について
新規家庭用ゲーム機の深刻な販売不振や、ゲームソフトメーカーが家庭用ゲーム機向けタイトルを急激に絞った場合等においては、業績に大きな影響をもたらす可能性あり。一方、スマートフォンの高機能化は著しいものがあるとともに、リッチな演出表現が可能なネイティブアプリへシフト中。当社のミドルウェアはリッチコンテンツ向け、高機能なスマートフォン向けに適したもので、スマートフォン用のネイティブアプリに対して有効な製品として、採用が拡大中。ただし、日本のスマートフォンアプリ市場においては、シェアの大部分を日本のゲーム(アプリ)会社が押さえており、もし、海外のゲーム(アプリ)会社が日本の市場を短期に席巻し、当社の海外ゲーム(アプリ)会社に対する事業展開が遅れた場合、業績に大きな影響をもたらす可能性あり。
◆遊技機市場の動向が与える影響について
遊技機市場は比較的安定した市場ではあるが、もし、関係法令の改正や監督官庁による指導方針の変更などがあり市場規模が急速に縮小した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性あり。
◆新規事業分野への取り組みに関するリスクについて
医療・ヘルスケア分野や映像配信分野へのビジネス展開を目指し、一定の人員を充てて研究開発やビジネスの試行中。医療・ヘルスケア分野は高齢化や健康志向の高まりから市場が拡大しており、映像配信分野も従来のDVDなどの媒体による映像供給から、インターネットの普及による通信での映像供給が拡大中。しかしながら、これら分野ではまだ当社の実績が少ないため、一定の研究開発やビジネス試行を行った後に、業績を伸ばせず事業縮小や撤退を決断した場合、事業や業績に影響を与える可能性あり。
◆新株予約権(ストックオプション)の行使による株式価値の希薄化について
新株予約権による潜在株式数は192,600株であり、これらの新株予約権が全て行使された場合、発行済株式総数1,289,400株の14.9%にあたり、将来的にこれらの新株予約権が行使された場合は株式価値の希薄化や株式売買の需給への影響をもたらし、株価形成に影響を及ぼす可能性あり。
◆特許など知的財産や訴訟に関するリスクについて
ソフトウェア単独の出願は受け付けられずハードウェア資源と一体で実現できるものに限られることや、審査過程においては先行技術の特定が困難であり時間がかかることから、ソフトウェア特許の取得は容易ではなく、特許出願は保有する技術内容を詳細に公開することであり、第三者が盗用する危険性を持ち、しかも、第三者が盗用した場合、ソフトウェアの性格(目に見えない)から盗用を発見したり断定することが困難。海外の第三者を含む他者からの技術訴訟リスクを排除することは不可能であり、そのような事態となった場合は、事業や業績に影響を与える可能性あり。
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携帯ゲーム機でゲームをプレイしたことがあれば、起動時に目にするロゴでおなじみの企業。
主要製品である音声・映像関連ミドルウェアを開発・販売している会社としては、国内唯一となるか。(株)CSKでAI等の研究からはじまり、(株)セガの基本ソフトを手がけるようになるも、(株)セガが家庭用ゲームから撤退したことにより、セガ以外の各社ゲーム機向けにも事業を展開。
※平成25年9月期の売上高は、
・ゲーム分野 ⇒ 4億7,500万円 構成比:48.1%
・遊技機分野 ⇒ 3億8,700万円 構成比:39.2%
・新規分野(医療他) ⇒ 1億2,500万円 構成比:12.7%
やはり、事業の中心となるのは、ゲーム分野と遊技機(パチンコ・パチスロ)分野か。
まずは、家庭用ゲーム機市場での確実なシェア確保を目指したいところか。また、ゲーム市場においては、スマートフォン向けゲームの拡大や追加課金型へのシフトなど大きな変化の渦中であり、この変化を的確に捉る必要があるか。料金体系についても、従来はタイトル別または販売本数別に定めていたのを期間やレベニュー等に連動する新しい体系に切り替えて収益増につなげたいところか。遊技機分野でも、業界で標準的に使用される複数のハードウェア(チップ・ボード)に対し、ミドルウェアをカスタマイズし、シェア拡大を図りたいところか。
また、様々な分野で、インタラクティブな音声・映像技術のニーズがあることから、持ちうる技術を最大限生かせるビジネスリレーションやビジネスモデルの確立を模索するも必要あるか。
目論見書から判別できる主な取引先は、
(株)セガ
アイレムソフトウエアエンジニアリング(株)
SCSK(株)
(株)東芝セミコンダクター&ストレージ社
(株)Future Tech Lab
(株)ブレイン あたりか。
新規公開で得た資金は、
・ミドルウェア関連の新技術の研究、既存製品(CRIWARE)の改良・アップデート対応のための研究開発費として、2億1,500万円。
(平成27年9月期:1億円、平成28年9月期:1億1,500万円)
・新規人材の採用(新卒採用及び中途採用)として、8,100万円。
(平成27年9月期:2,700万円、平成28年9月期:5,400万円)
・認知度向上、及び新規の顧客獲得や市場開拓を目的とした広告宣伝費として、4,600万円。
(平成27年9月期:2,100万円、平成28年9月期:2,500万円)
細かな財務分析は次回に。
公開価格割れ発生確率(条件付き確率)は、別途に。
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想定株価は、2,300円のところ、
仮条件は、2,100円〜2,400 円 に決定。
公開価格決定日:11/14(金)
上場日:11/27(木)
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