☆ヤマシンフィルタ(6240) 単元株数:100株:東証2部:機械
◆事業概要
フィルタ製品の製造・販売が主たる事業。製造品目は、建設機械向け油圧フィルタ(建機用フィルタ)・産業機械向け油圧フィルタ(産業用フィルタ)・プロセス用フィルタの3品目。フィルタの「ろ材」の開発及び製品設計から製造をグループ内で一貫して行い、建設機械、産業機械等の業界向けに販売。
◆特徴
ろ材を内製化することで、顧客が要望する様々な仕様に対応した「ろ材」及び「ろ材構造」を独自に開発し、最適な製品を顧客へ供給。特に主力品目である建機用フィルタでは、油圧ショベルが国産化された同時期からフィルタを手掛けており、搭載される回路の知識やおよそ50年に亘るノウハウは競合他社との差別化に貢献。
従業員数:115人 臨時従業員数:37人 平均年間給与 741万円(平成26年7月31日現在)
連結子会社7社で構成。
連結会社従業員:334人 臨時従業員:485人
---------------------------------------------------------------------------------------------------
■業績実績
◆第59期連結(平成26年3月期)
売上高 ⇒ 105億3,000万円 15.9%増。
営業利益 ⇒ 7億7,000万円 前期は5,500万円。
経常利益 ⇒ 7億900万円 前期は6,900万円の経常損失。
当期純利益 ⇒ 3億3,600万円 前期は2億5,300万円の損失。
1株あたり純利益(EPS) 168.29円(上場時の1,996,500株で算出)
株価収益率(PER) 2,800円(仮条件上限)/168.29円=16.64倍あたりか。
フィルタ製品のラインナップの充実を図ることで建設機械メーカの顧客満足度と信頼度を高め、製品の需要を向上。また、建機用フィルタ市場における補給部品の販売についても、中国・アジア市場において、補給部品の純正率の向上に建設機械メーカと共同で取り組み、純正品を使用するメリットをエンドユーザに訴求することで、純正部品の採用率向上に繋げたことによるか。
◆第60期 第1四半期(平成26年6月期)
売上高 ⇒ 27億6,100万円
営業利益 ⇒ 3億4,100万円
経常利益 ⇒ 3億2,900万円
当期純利益 ⇒ 2億1,700万円
---------------------------------------------------------------------------------------------------
■主幹事別、セクター別アノマリー
⇒ 機械での直近の負けは、2012/12/20上場 バンチ工業(6165):OR30.6%:東証2部:大和証券。
⇒ 月別勝率7位。ただし、2010年以降は、9勝5敗 勝率 0.643。
⇒ 10月での直近の負けは、2012/10/23上場 三洋貿易(3176):OR23.4%:東証2部:三菱UFJMS証券。
⇒ 野村證券の直近の負けは、2014/4/8上場 トレックスセミコンダクター(6616):OR30.6%:東証JQS。
⇒ 野村證券・機械の直近の負けは、2008/12/10上場 ホシザキ電機(6465):OR16.1%:東証1部。
⇒ 東証2部・機械での直近の負けは、2012/12/20上場 バンチ工業(6165):OR30.6%:東証2部:大和証券。
■需給状況
オファリングレシオ(OA含む)は、29.58%。適正とされる 20%±5% の範囲を超過。需給は、やや緩いか。
仮条件上限で試算した吸収金額は、約16.422億円。
■大株主におけるベンチャーキャピタル(VC)の状況
VCの存在数 ⇒ 3つ。
VCの合計所有割合 ⇒ 7.21%
また、大株主以外にもVC(投資会社含む)は、1つあり。
VC関連の存在数 ⇒ 全部で4つ。
その合計所有割合は ⇒ 7.46%(計149,000株)
今回の売出における放出株数 ⇒ 無し。
■ロックアップの状況
ロックアップ(売却等):対象者
売出人である株式会社三井住友銀行並びに当社株主であるNIFSMBC-V2006S3投資事業有限責任組合、三菱UFJキャピタル2号投資事業有限責任組合及び株式会社三菱東京UFJ銀行
売出人であり貸株人である株式会社やまびこホールディングス、売出人である山崎敦彦及び山崎一彦並びに
当社株主である山崎敬明、山崎裕明、山崎千鶴子、大越和弘、鷹野徹及び石丸誠
VCのうち、2つが、ロックアップの対象外か。(所有株数:32,750株:1.64%)
ロックアップ(売却等):期間
90日間(平成27年1月5日)
ヤマシンフィルタ従業員持株会は、180日間(平成27年4月5日)第1回訂正で追加。
ロックアップ(発行等):期間
180日間(平成27年4月5日)
また、主幹事証券は、裁量でロックアップ解除を行う権限あり。
■ロックアップ解除条件(売却)
発行価格又は売出価格の1.5倍以上で解除。
VC、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行は、解除条件の適用あり。
仮条件上限が 2,800円 であることから、4,200円 あたりか。
■親引け
・ヤマシンフィルタ従業員持株会に、募集株式のうち、25,500株を上限として、9/29に決定。(第1回訂正で追加)
第2回訂正で、22,800株に決定。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
■目論見書に記載のある主な対処すべき課題
◆製品ラインナップの充実
強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品に加え、燃料用、エンジンオイル用といった新製品の開発に積極的に取り組み、あわせてICT(情報通信技術)による高機能化などを技術開発中。また、工作機械などの産業機械向けには、作動油・潤滑油用フィルタ、生産工程で使用される製造プロセス向けには、洗浄・飲料用フィルタなどの既存製品で培った独自の技術・開発力を活かし、新事業分野・新顧客の開拓に積極的に取り組みたい。
◆補給部品市場(アフターマーケット)の深耕
フィルタは搭載される機械が市場で稼働する限り、一定の交換需要が見込まれる機能部品。市場規模は新規用と比較して需要は大きく、市況の影響を受けにくい性質のため、収益源として安定。今後も中国・アジア市場を中心に、建設機械メーカと共同でセミナー活動に取り組み、純正品を使用するメリットをエンドユーザに訴求することによって純正部品の採用率向上を図りたい。
--------------------------------------------------------------------------------------------------
■目論見書に記載のある主なリスク
◆特定市場の依存度について
建機用フィルタ市場向け売上高が89%を占めており、中長期の事業展開も当該売上高の割合が高く推移するか。景気停滞、公共投資低迷などの原因による建設機械メーカ各社の業績が悪化した場合、または強みである作動油フィルタに対する建設機械の構造革新や油圧動力に替わる新たな技術革新などが起きた場合には、建機用フィルタの売上高が減少し、業績に影響を及ぼす可能性可能性あり。
◆金融市場の変動について
運転資金を主に金融機関からの借入金で調達しており、有利子負債は16億8,500万円(リース債務含む)で総資産に対する有利子負債依存度は19.5%。借入金等の有利子負債の圧縮に努めていりものの、今後の市場金利の動向によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性あり。
◆生産計画と適正在庫について
建機用フィルタ市場向け製品の販売は、最終顧客に接する販売代理店への直接販売は行わず、建設機械メーカを経由して販売する方法を採用。建設機械メーカの生産計画及び部品の販売計画が生産計画に影響を及ぼす構造に。建設機械メーカと定期的に情報交換するなど市場動向、生産計画及び部品の販売計画等の最新情報を入手し、在庫が適正水準を維持できるように常に監視・分析しているものの、建設機械メーカからの急な発注数量の変更や納期の調整などにより、在庫を過剰に保有する可能性があり、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性あり。
---------------------------------------------------------------------------------------------------
フィルタ製品の製造・販売が主たる事業。平成26年3月期での内訳は、
・機械用フィルタ ⇒ 93億8,800万円:89.2%
・産業用フィルタ ⇒ 4億2,700万円:4.1%
・プロセス用フィルタ⇒ 7億1,400万円:6.8%
・日本 ⇒ 55億2,100万円:52.4%
・アジア ⇒ 23億2,900万円:22.1%
・北米 ⇒ 17億円:16.1%
・その他 ⇒ 9億7,900万円:9.3%
フィルタ性能を決定するろ材の開発から生産、販売まで一貫して行うことで、顧客要望に合わせた製品開発をスピーディーに提供し競争優位を実現すること、先進国での販売市場の拡大、新興国市場に対しての積極的参入・深耕、純正率の向上を訴求することにより収益基盤の安定化を実現したいところか。
今後の見通しとしては、中長期的に成長が期待できる建機用フィルタ市場を中心に販売戦略を展開するとともに、今後更に高まる環境技術への対応として、ろ材の構造、材質、最適機能の調査・研究を展開することにより、更なる成長を目指したいところか。
目論見書から判別できる主な取引先は、
住友建機(株)
(株)汎建製作所
(株)内村
オカダインダストリ(株)
ダイワボウプログレス(株)
XUZHOU FUTAGAWA MASHINERY CO.,LTD
VOLVO GROUP KOREA CO.,LTD
(株)クボタ
(株)小松製作所
コマツ物流(株)
ノバテック(株)
旭化成せんい(株)
武甲産業(株) あたりか。
新規公開で得た資金は、
環境規制・排出ガス規制へ対応した製品の開発、得意とする油圧用フィルタの周辺分野である燃料用・エンジンオイル用フィルタの製品拡充、また、IoT(Internet of Things)への対応を見据えた技術開発として、
・研究開発拠点の建物取得として、3億5,000万円。(平成28年3月期)
・研究開発用機械装置の取得として、2億2,000万円。(平成28年3月期 )
・製品開発に使用するろ材シミュレーションシステム等のソフトウエアの取得として、3,000万円。(平成28年3月期)
・経営基盤の充実強化及び内部管理体制の強化を目的とした社内基幹システム等のソフトウエア取得に、3億円。
(平成28年3月期 1億5,000万円、平成29年3月期 1億5,000万円) に充当予定。
細かな財務分析は次回に。
公開価格割れ発生確率(条件付き確率)は、別途に。
→ブログ村 IPO・新規公開株
-------------------------------------------------------------------------------
想定株価は、2,700円のところ、
仮条件は、2,700円〜2,800円 に決定。
公開価格決定日:9/29(月)
上場日:10/8(水)
-------------------------------------------------------------------------------
→ブログ村 IPO・新規公開株
投資行動の最終決定は、自己判断・自己責任で願います。当方はいかなる責任も一切負いませんのでご了承ください。
個別銘柄の選択に最適! 全4000銘柄の株価チャートのシグナルを毎日公開!
【◆2014年後期IPO(新規公開株)の最新記事】
- MRT(6034) 財務分析 【目論見書の個人的な感想2】 IPO(新規公開株)
- MRT(6034)【目論見書の個人的な感想】IPO(新規公開株)統計アノマリー付き【PER】
- エクストリーム(6033) 財務分析 【目論見書の個人的な感想2】 IPO(新規公開株)
- エクストリーム(6033)【目論見書の個人的な感想】IPO(新規公開株)統計アノマリー付き【PER】
- カヤック(3904) 財務分析 【目論見書の個人的な感想2】 IPO(新規公開株)
- カヤック(3904)【目論見書の個人的な感想】IPO(新規公開株)統計アノマリー付き【PER】
- データセクション(3905) 財務分析 【目論見書の個人的な感想2】 IPO(新規公開株)
- データセクション(3905)【目論見書の個人的な感想】IPO(新規公開株)統計アノマリー付き【PER】
- 東京ボード工業(7815) 財務分析 【目論見書の個人的な感想2】 IPO(新規公開株)
- 東京ボード工業(7815)【目論見書の個人的な感想】IPO(新規公開株)統計アノマリー付き【PER】