そして、ベイズの定理・推定(条件付確率)を用いたIPO(新規公開株)の失敗確率(アノマリー)の算出を目指すために。
◎ウィルグループ(6089) 単元株数:100株 東証2部 サービス業
人材派遣、業務請負、人材紹介を主とする人材ビジネス会社。スマーフォン等を中心に家電量販店の販売スタッフ派遣、通信会社向けを中心としたコールセンター業務、食品製造業への派遣・製造請負が主要業務。通常の派遣のほか、常駐正社員と派遣スタッフの双方を派遣し、就業管理や現場管理のサポートも行う「ハイブリッド派遣」を強化中。1997年に前身のテレマーケティング会社が設立、2006年に持株会社化。
2013/12/19上場 公開価格 2,870円 に対して、初値 2,750円 −4.2%の公開価格割れが発生。
2013年の新規上場53社目にして、初の公開価格割れ。2012年から続く連勝記録は55社ぶりにストップ。
ブックビルディング時に判明していた オファリングレシオ と アノマリーは次のとおり。
オファリングレシオ:(公募株+売出株)/ 本件公募含む発行済株式総数)20%±5%が適正レンジか。以降、ORと表記。
ウィルグループ(6089)のオファリングレシオ(OA含む)は、36.7%。
30%以上は、高い数値。市場での需給が緩み、消化が悪い可能性が大きいか。

2013/12/18〜19の2日間で計8社が上場する過密スケジュール。
この8社をORの小さい順に並べ替えると
12/19 足利HD(7167):東証1部:OR19.5% 公:420円 初:451円 +7.4%の勝ち
12/18 アーキテクツSJ(6085):マザーズ:OR23.6% 公:2,050円 初:4,600円 +124.4%の勝ち
12/19 シンプロメンテ(6086):マザーズ:OR25.1% 公:950円 初:2,235円 +135.3%の勝ち
12/19 ダイキアクシス(4245):東証2部:OR26.9% 公:1,300円 初:1,350円 +3.9%の勝ち
12/18 イーグランド(3294):東証JQS:OR27.4% 公:3,300円 初:4,200円 +27.3%の勝ち
12/18 アビスト(6087):東証JQS:OR30.3% 公:3,450円 初:3,450円 +0.0%の勝ち
12/19 ウィルグループ(6089):東証2部:OR36.7% 公:2,870円 初:2,750円 −4.2%の負け
12/18 シグマクシス:マザーズ(4245):OR38.8% 公:3,010円 初:3,020円 +0.3%の勝ち
負けはしなかったものの、アビスト(6087)とシグマクシス(4245)も僅差の勝ちにとどまる。
ORが30%を超えると一気に形勢が不利になるのが判るか。
しかも、ウィルグループ(6089)は、東証2部。最も不利であったか。
ちなみに、2013年に東証2部に上場した6社のうちで、最もORが高かったのもウィルグループ(6089)。
ベイズ推定(条件付き確率)を用いた公開価格割れの発生確率は次のとおり。
※OR35%以上40%以下での公開価格割れの発生確率は、
2010年以降 ⇒ 32.7%
2001年以降 ⇒ 28.3%
公開価格割れの発生確率は、単純平均の 約1.56倍〜1.83倍。やや高いか。
※東証2部での公開価格割れの発生確率は、
2010年以降 ⇒ 34.2%
2001年以降 ⇒ 25.6%
公開価格割れの発生確率は、単純平均の 約1.6倍。やや高いか。
上記2つの条件を組み合わせた
※OR35%〜40%+東証2部での公開価格割れの発生確率は、
2010年以降 ⇒ 48.9%
2001年以降 ⇒ 42.6%
公開価格割れの発生確率は、単純平均の 約2.34倍〜約2.77倍。
よって、ウィルグループ(6089)の公開価格割れの可能性は、 高い と判定できたか。
今回のまとめは、次のとおり。
2013年のIPO(新規公開株)で唯一の公開価格割れに見舞われたウィルグループ(6089)。
公開価格割れを起こした理由として「業務内容(人材派遣)が新鮮味に欠ける」とされたが、
オファリングレシオと東証2部案件であったことからも、確率的に説明がつくか。
オファリングレシオ35%〜40%+東証2部は、悪条件か。
投資行動の最終決定は、自己判断・自己責任で願います。当方はいかなる責任も一切負いませんのでご了承ください。
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