そして、ベイズの定理を用いたIPO(新規公開株)の失敗確率(アノマリー)の算出を目指すために。
◎ジャパンディスプレイ(6740) 単元株数:100株 東証1部 電気機器
中小型ディスプレイや関連製品の開発、製造、販売会社。スマートフォーンやタブレット端末のほか、車載用機器、医療機器、デジタルカメラ等に搭載されるパネルを製造。ソニーモバイルディスプレイと、東芝モバイルディスプレイ、日立ディスプレイズの3社統合で2012年4月に事業開始。
2014/3/19上場 公開価格 900円 に対して、初値 769円 −14.6%の公開価格割れが発生。
(ディスプレイをbadwordに指定)
ブックビルディング時に判明していた オファリングレシオ と アノマリーは次のとおり。
オファリングレシオ:(公募株+売出株)/ 本件公募含む発行済株式総数)20%±5%が適正レンジか。以降、ORと表記。
ジャパンディズプレイ(6740)のオファリングレシオ(OA含む)は、64.8%。
30%以上を異常値とすると、明らかに高い異常値。市場で消化できない可能性が大きいか。
(OR30%以上をbadwordに指定)
注目に値するところは、2010年以降の 新規上場・電気機器 の勝率の低さか。(電気機器をbadwordに指定)
電気機器で、公開価格割れだったのは、
2011/12/16上場 ダブルスコープ(6619):マザーズ:OR22.4%、−8%の負け
リチウムイオン二次電池用セパレーターの製造・販売
2011/6/29上場 SEMITEC(6626):ジャスダック:OR16.4%、−3.2%の負け
温度センサーなどの製造、販売
2010/12/16上場 テラプローブ(6627):マザーズ:OR44.8%、−7.5%の負け
半導体のウエハーテスト、ファイナルテスト及びテストに関する開発受託
(リチウムイオン電池、温度センサー、半導体 をbadwordに指定)
さらに、注目に値するのは、ジャパンディズプレイを含めて、全てが BtoB(企業間取引)事業 であることか。
(BtoB(企業間取引)事業 をbadwordに指定)
ところで、電気機器で、公開価格を上回ったのは、
2012/6/22 大泉製作所(6618):マザーズ:OR9.2% +14.2%の勝ち
サーミスター半導体のほか各種温度センサーの製造及び販売
温度センサー、半導体、BtoB(企業間取引)事業 といったbadword を含むのにも関わらず公開価格をクリア。
これは、オファリングレシオ(OA含む)が、僅かに 9.2% だったことに起因するか。
(OR15%以下をgoodwordに指定)
今回のまとめとは、次のとおり。
※badword
ディスプレイ、OR30%以上、電気機器、リチウムイオン電池、温度センサー、半導体、BtoB(企業間取引)事業
※goodword
OR15%以上
ジャパンディズプレイ(6740)は、 電気機器・OR30%以上・BtoB(企業間取引)事業 の badword条件が揃う。
かなりの高確率で公開価格割れが発生することが予測できたか。そして、現実に公開価格割れが発生。
現在は、2013年から続く絶好調なIPO相場が続く。
しかし、badword条件が揃えば、公開価格割れは出現する。今後も十分に気をつけたいところか。
次回は、日立マクセル(6810) で検証予定。
投資行動の最終決定は、自己判断・自己責任で願います。当方はいかなる責任も一切負いませんのでご了承ください。
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